マクロ経済学とはミクロ経済学と並び、経済学における主要な分野の一つです。
家計や個人の行う日々の消費活動や特定の企業の商品生産量や価格設定に着目し、ミクロな視点で世の中の経済活動を研究するミクロ経済学に対して、マクロ経済学はより大きな視点で経済動向を研究します。
例えば国同士の貿易や為替、政府の財政政策や日銀の金融政策まで及び、とてもスケールの大きい経済活動に関するものです。
そして今回は課題代行Yattokuのスタッフである筆者が、そのマクロ経済学について銀行、衣類、ガソリン価格の高騰、増税、地球温暖化の5つの身近な例を用いて解説します。
マクロ経済学の身近な例①銀行
まずは銀行です。銀行は私たちにとって大切なお金を守ってくれるという存在にすぎませんが、実は国の経済活動を支える重要な役割を果たしています。
銀行の最も重要な役割はお金を必要とする人とお金を融資してくれる人を結びつける機能です。どういうことかというと、ビジネスや事業を始めるときはある程度まとまったお金が必要となります。銀行は私たちが預金として預入をしたお金を、国の経済成長を促してくれるかもしれないそのような事業家やビジネスマンに貸し出しています。お金の貸出先は事業者や企業だけでなく、日本政府も含まれます。
つまり私たちは銀行という仲介役を通して、企業や政府に対して融資をしているということになります。これを株式投資や債券などの直接金融と区別して間接金融といいます。
さらに銀行は最重要の中央銀行と民間銀行に分かれていて、国に1つしかない中央銀行とはいわゆる日銀のことで、通貨の発行権を持つため通貨の番人とよばれていて、貨幣の供給をコントロールし金融政策を行います。中央銀行が直接やりとりをするのは政府や民間銀行であって、そのため銀行の銀行や政府の銀行とも呼ばれています。日銀が個人とやり取りすることはないため、私たちが口座を作り預金を預けているのは民間銀行の方です。
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マクロ経済学の身近な例②衣類
次の例は衣類です。私たちの着ている衣服はほとんどが輸入品で、主に中国やベトナムなどのアジア産のものが大きな割合を占めます。つまり国と国との貿易によって得られているものということです。
それぞれの国は異なる気候環境や風土により生産に向いているものとそうでないものがあります。代表的なものは現代を生きる私たちとってはなくてはならない石油、天然ガスなどの地下資源で、非常に残念なことにわが国日本はあまり天然資源に恵まれていません。先ほど例に出した衣服も石油化学誘導品を溶かした合成繊維が使われているものが多くあります。各国が自国の得意な製品や大量に採れる資源を互いに交換しているのです。
私たちが普段の買い物でぼったくり被害に遭ったり損をしたりしたくないと思うのと同様に、国家間の取引である貿易もお互いにwin-winな関係で行われなくてはなりません。どちらか一方が損をするような状態だと国際問題にまで発展し、最終手段の実力行使である戦争が勃発してしまいます。
実際に人類はこれまで貿易の不均衡によりたくさんの戦争をしてきました。第二次世界大戦が起こったのも大きな要因として互いに恩恵の享受ができるような貿易ができなかったことがあります。長い間、経済学者はより公平で両者にメリットのある貿易のあり方を議論してきました。現在は輸出入量の制限や関税をかけすぎない自由貿易の考えが多くの学者に支持されています。
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マクロ経済学の身近な例③ガソリン価格
次はガソリンの価格に関してです。ここ十数年のうちにもガソリン価格は上昇し続けています。このモノの値段の上下はニュースなどでよく耳にするインフレとデフレという概念で説明できます。
インフレはインフレーションの略称で、お金より相対的に物の価値が高まっている状態です。デフレはデフレーションの略称で、インフレとは逆に物の価値が下がり貨幣の価値が高まっている状態です。景気変動が起きる理由はモノとお金の相対的価値のバランスだと説明しましたが、これは需要と供給のバランスに大きく影響を受けているということです。
ガソリンの例で考えると現在も続いているロ〇〇〇〇〇イナ戦争で、世界でもトップクラスの産油国であるロシアからの原油の輸入が滞っているため、多くの国で石油価格が高騰しています。各国に入ってくる石油の量、つまり供給量がその国の中で必要とされている量、つまり需要量に追いついていないため、価格が上昇し続けているのです。つまりはインフレーション、物価高ですね。
そのような状況で通貨発行権を持つ中央銀行がとる対策は、世の中に出回る貨幣の量を制限しモノの貨幣に対する相対的価値を引き下げます。デフレの時は、反対に貨幣の供給量を増やすことで、モノの価格を引き上げるという対策が取られます。
過度なインフレ、デフレはよくないとされていますが、基本的にインフレ自体にもデフレ自体にも良いも悪いもありません。物価の上下は貨幣の購買力や金融おける金利に影響を与えるため、先ほど説明をした日銀が金融政策を行うことで景気をコントロールし、健全な経済発展促します。一般的に毎年少しずつインフレしていくのが国の経済発展には重要だとされています。
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マクロ経済学の身近な例④増税
続いては増税です。経済成長の停滞と急速な少子高齢化に伴いあらゆる税の負担増加が懸念され、また国会では新たな税の導入が日々検討されています。普段は経済ニュースに興味のない方も税金、特に増税に関しては関心を持つ人は多いと思います。
税制措置は日本政府の行う財政政策の1つです。先ほどインフレとデフレ話で出てきた金融政策とは異なります。金融政策は中央銀行が行うのに対し、財政政策は政府が行います。これは通貨の発行権を持つ唯一の機関が中央銀行で、また税などに関するあらゆる法律を作る立法権を持つ唯一の機関が国会だからです。
金融政策と財政政策は景気の安定化など似た側面がありますが、大きく異なるのが資源配分や所得の再配分などの役割が財政政策にはあります。
1つずつ説明すると、まず資産の配分機能とは公共財の供給が挙げられます。市場では需要と供給のメカニズムで必要なモノはその分だけ生産されますが、誰もが無料で利用できる道路や図書館などの公共施設は利益が発生しないので企業を含め誰もやろうとしません。しかし道路や橋、警察や消防は社会にとって不可欠なので政府や自治体が主体となって国民からの税金によって行います。不況時には公共事業を行うことで仕事を増やし、失業者の数を減らす役割も果たします。
もう一つの所得の再配分とは、簡単に言ってしまうと格差是正です。市場においては必ず勝ち組と負け組とに分かれます。そこで政府は累進課税制度や社会保障により過度な格差を是正するという対策をとるのです。累進課税は所得の多ければ多いほど税率が上がる仕組みです。社会保障は国民からの税収で生活保護を必要とする経済的に困窮している人などを助けるという重要な機能があります。
景気の安定化だけでなく国の健全な運営のために行われるのが財政政策ということです。
マクロ経済学の身近な例⑤地球温暖化
最後は地球温暖化です。わが国日本でも毎年のように各地で最高気温記録が更新されています。また海面上昇や多くの種の絶滅など世界規模の問題に発展しています。
SDGSという言葉をよく耳にするようになり、国際的に持続可能な社会実現のための動きがみられます。再生可能資源の利用や排出権取引などが議論されている主なものです。排出権とは、国ごとに二酸化炭素の年間の排出量上限を定め、その排出権を売買するのが排出権取引です。排出権を使い切らなかった国は、上限を超えてしまう国に対して排出権を売ることができます。これは環境問題を市場取引の原理を用いて解決に導くという発想です。環境問題は将来世代への配慮と地域間の環境被害の偏りをなくすという点でとても重要です。
マクロ経済学の身近な例については以上となります。
私たちに馴染みの深い銀行、衣類、ガソリン価格、増税、地球温暖化の5つを例に出し、マクロ経済学について学びました。マクロ経済学という学問はニュースや新聞の報道内容が分かるため、世の中の動きが見えてきて世の中のこれからについても考えられるようになります。
また取り上げた5つの例からわかるように普段の生活に直結する経済動向や政策の理解にもつながるため実用性もあり、経済を専攻している方以外にも学んでほしい学問です。
今回の記事を通してマクロ経済学に興味を持った方はぜひ1冊でもいいので関連本に目を通してみてください。