この記事では、初めて法学部のレポートを書く新入生に向けて、多くの法学部レポートを代行してきた現役法学徒の筆者が「法学部レポートの書き方と判例の引用方法」を重点的に解説していく。

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そもそも法学部のレポートとは?

法学部のレポートには、法律学のレポートと法律学の答案の二つがある

第一に、法律学のレポートとは、テーマが指定されているものが多いが、それは法律上の問題の所在や外国法との比較、法律の変遷などが主である。

第二に、法律学の答案とは、ある事案について法律や判例の知識を用いて分析し、解決していくというものである。また、この形式は司法試験などの試験で用いられることが多い。

以下、上記の二つの書き方について述べていく。

法学部のレポートの書き方

法律学のレポートは、他のレポートと同様に読み手にとって読みやすく、わかりやすいレポートを書くことが重要である。そのためには、文章自体の構成を意識しなければならない。

上記のように、法律学のレポートは、テーマがすでに決められているものが多い。しかし、その決められたテーマは大雑把でかなり広範囲であるといえる。このような場合において、与えられたテーマの中でうまく絞り込むことが求められており、これが評価を左右するといえる。

また一方で、自分でテーマを設定し、述べていくような形式のものももちろんある。この両者において共通していることは、(a)自分が興味のあるテーマを選ぶこと、(b)論じる価値のあるテーマを選ぶことが最も重要であるといえる。

(a) 自分が興味のあるテーマを選ぶこととは

なぜ、自分が興味のあるテーマを選ぶことが重要であるといえるのか。このようなテーマを選ぶことによって、単純に書き手である自分がスムーズに書くことができ、また興味のあるテーマであるから、直接的に自分の学習にもつながり、やりがいを感じられるからである。

(b)論じる価値のあるテーマを選ぶこととは

なぜ、論じる価値のあるテーマを選ぶことが重要であるといえるのか。そもそも前提として論じる価値のあるテーマとはどのようなものか。これについては、多くの学説や判例が挙げている論点が重要なテーマであるといえる。

このようなテーマを選ぶことは、読み手である教授や先生にとって好印象であり、高い評価を得ることができると考えられる。また、多くの判例や学説が存在することから、参考文献が充実しているので、書き手にとっても書きやすい。

法学部の答案の書き方

上記の通り、法律学の答案とは、ある事案について法律や判例の知識を用いて分析し、結論を導きだしていくというものである。このように一口に言っても、イメージすることは難しいかもしれない。法律学の答案を書くためには、ある程度の法律や判例の知識を備えていることが必要である。

では、このような知識を備えたうえで、どのように答案を書いていくべきか、その書き方について述べていく。

a. 条文解釈

法律学の答案では通常、条文の解釈が求められている。

条文には、その法律の要件や効果が示されており、結論を導き出すための根拠となる。しかしながら、すべての事案において条文の文言をそのまま適用すれば結論を導き出せるというわけではない。例えば、条文の文言をそのまま適用すると問題があるという場合には、縮小解釈や拡大解釈をする必要がある。

また、ある事案に適用できる条文がない場合には、類推解釈や反対解釈する必要がある。もっとも、以上のような解釈をする場合には、その条文の立法趣旨を理解しておく必要があり、答案においても簡単に立法趣旨について触れておくことが重要であるといえる。

b. 必要なことだけを記述する。

法律学の答案は、レポートでも出題されることがあるが、上記のように試験で用いられることが多いといえる。試験では制限時間が定められており、あらゆるすべてのことについて記述するということは、かなり難しい。そのため、「その事案において求められていることは何か」を考え、余計なことは書かず、求められている事情を厚く論じることが重要であり、高評価につながると考えられる。

一方で、レポート形式における答案についても同じことがいえる。確かにレポート形式では、時間もある程度はあるので、多くの事を書いてしまいがちであるかもしれない。しかしながら、試験の場合と同様に、「その事案において求められていることは何か」という出題者の意図を考え、その要所要所を厚く論じることが重要である。レポート形式とはいえ、正しい記述でも、それが事案と関係のない事柄、求められていない事柄であれば、余計なものとなり、そのレポート全体として低い評価になりうる。

つまり、法律学の答案ではポイントを押さえて、重要箇所とそうでない箇所とのメリハリをつけて論じていくということを留意しておく必要がある。

c. ナンバリング

法律学の答案を作成するときのルールとしてナンバリングが挙げられる。

ナンバリングといってもすぐにイメージすることは難しいと考えられるので、ナンバリングの一例を挙げたい。

ナンバリングの例

「第一、〜について」「1, 〜(問題提起)」「⑴〜」「ア、〜」

ナンバリングとはざっくりであるが、以上のような答案上の段落分けのことをいう。

このようにナンバリングをすることによって、採点者にとって読みやすく、書き手側の理解を示すことができる。そのため、ナンバリングは高評価の答案を書くためには必要不可欠である。

d. 答案上における判例

判例の重要性は、科目によって異なるが、特に憲法の答案では非常に重要である。

しかしながら、答案の作成をする際、必要であれば、判例の見解について示しておくことは必要である。もっとも、何年何月何日の何判例とまで示す必要はなく、判例の見解を示しておくに足りる。

つまり答案では、判例を知っているということをアピールすることが重要である。

判例の読み方

前提として、判例とは、最高裁判所の裁判例のことを言う。また、判例と学説は同じものではなく、混ぜて考えないということに留意しておく必要がある。以下、その判例の読み方について述べていく。

a.  重要判例をみつける

重要な判例とはどのようにして見つけるのか。

重要判例の見つけ方は様々あるが、もっとも簡単な見つけ方としては、『判例百選』(Jurist)を読むことであると考える。

b. 判例の読み方

では、重要判例を見つけた後、どのようにして読めばよいのか。

重要判例を見つけることができたら、次は重要な箇所を見つける必要がある。重要な箇所の見つけ方としては、大学の講義やレジュメ、他の答案やレポートを読むことが有益である。このようにして、重要判例の要所をしっかり押さえて判例を読むことが重要である。

判例の引用方法

判例の引用方法について述べていく。

a, レポートの場合

レポートの場合においては、引用文献の欄に裁判所名、裁判の種類、裁判年月日、出典を書く必要がある。その一例として、憲法のよど号事件を引用した場合を挙げる。

ex), 最高裁大法廷判例 昭和58年6月22日 民集37巻5号793頁

b. 答案の場合

答案の場合においては、答案の中で判例の文言を鍵かっこでくくるなどして、判例の文言であることをはっきりと示し、採点者にとってもわかりやすくすることが重要である。また、もう一つの引用方法としては「判例は~」と書いて、そのあとに判旨を述べるというものも挙げられる。しかしながら、前者のほうが端的でわかりやすいという点から、答案を書く上ではお勧めしたい。